洪水発生状況:
先週公表された洪水に関する主な情報は以下の通りです。
10/20:Nakhon Sawan県においてChao Phraya川の堤防補強緊急工事を実施
10/22:Chao Phrayaダムの放水によりPathumthani 県の川沿いの集落で洪水が発生
10/23:Chao Phraya川上流域の洪水緩和のため、Chao Phrayaダムの放水量が2,700 m3/secに増加
10/24:Doi Inthanonでの大雨により Chiang Mai県の多くの地域で鉄砲水が発生
10/24:Chao Phraya川の水位が40~60cm上昇したことにより、Nonthaburi県のPak Kredで洪水が発生
10/24:Jao Jed水門の損傷によりAyutthaya県のSena地方で洪水が発生
10/24:Nonthaburi県のBang Kwang prison周辺でChao Phraya川の洪水が発生
Nonthaburiで発生している洪水の状況
Chao Phrayaダムからの放水量が増加したことにより、Nonthaburi県で洪水が発生しています。Chao Phraya川近くのいくつかの建物は30~40cm浸水しており、現在100世帯ほどに影響が出ています。また、一部の道路は冠水により通行止めとなっています。
バンコク周辺の潮位の状況
タイ気象局によれば、現在、満潮時の潮位は減少の局面を迎えています。満潮時潮位のピークとなった10/8以降、徐々に潮位は低下しています。一般的に河川から海への放水量は潮位が低いほど増加するため、Chao Phraya川など主要河川から海への放水量の増加が期待できます。
ただし、各地域の排水量は主要ダムの放水や主要河川の流量管理状況および排水能力等に依存するため、今後もダムの放水量や河川水位を確認し、洪水対策を万全に備えておくことが重要です。
主要ダムの貯水量
Pasakダムからの放水量が増加
10/25にPasakダムからの放水量が2,500万m3/secから3,000万m3/secに増加しました。Chao Phrayaダムからの放水量も増加していることから、Chao Phraya川の水位が20~30cm上昇することが見込まれます。Chao Phraya川に隣接する地域は河川水位に注意が必要です。
遊水地の貯水量
Ayutthaya県及びSuphanburi県の遊水地の貯水量が総貯水量(130,000万m3)の95%に達しています。王室灌漑局は今後、遊水地の貯水を海へ放水する予定であり、標準水位に戻るまで30~45日を要するとのことです。
2017年の総降雨量
タイ気象局によると、2017年の総降雨量は1月から10/24現在までで1,700mmに達し、年平均降雨量の1,572mmを上回っています(2011年の年間総降雨量は1,781mmです)。現在、王室灌漑局はこれらの雨水を運河や遊水地を活用してコントロールしていますが、万が一、王室灌漑局の管理が失敗した場合、降雨量の観点では2011年と同様の状況となるおそれがあります。今後も洪水対策や雨水管理に万全を期す必要があります。
チャオプラヤ水系の河川水位(チャオプラヤダム上流)
Chao Phraya川上流の水量は増加しておりYom川とNan川が合流するPhichitおよびChao Phrayaダム上流のChainat周辺では警戒水位に達しています。先月と同様Ping川とWang川の水量も増加しています。Chao Phrayaダムの放水量は2,600 m3/s から2,700 m3/s に増加しており、Chao Phraya川沿いの地域は洪水に対して注意が必要です。
チャオプラヤ水系の河川水位(チャオプラヤダム下流)
Chao Phraya川上流域からの水量は増加しています。Ayutthaya県、Singburi県などで洪水が発生しており、その他も多くの地域で警戒水位に達しています。河川水位が高い場合、当該河川への排水量が減少するため、内水氾濫が発生する可能性が高くなります。引き続き河川水位と排水状況を注視する必要があります。
https://www.tmd.go.th/7-day_forecast.php
http://water.rid.go.th/flood/plan_new/chaophaya/Chao_low.php?cal2=25102017
http://water.rid.go.th/flood/plan_new/planup.html
http://water.rid.go.th/flood/plan_new/chaophaya/
http://www.thaiwater.net/DATA/REPORT/php/rid_lgraph3.php?dam_id=19