下図は累積降雨量(左図:2022年1月1日~2月28日、右図:2023年1月1日~12月28日)を示しています。2022年と比較すると、今年の1月1日から2月28日までの総降水量は、特に高地で大幅に少なくなっています。昨年の高地の総降水量は50~200 mmの範囲ですが、今年の高地の総降水量はほとんどが5~50 mmの範囲です。
3月上旬から中旬にかけて全国的に気温が高くなり、特に高地の多くでは気温が40~43℃に達すると予想されています。また南西モンスーンの影響による雨も想定されています。
全体として平均気温は平年並みに近く降水量は平年よりやや少なめです。
王立灌漑局(Royal Irrigation Department)のディレクターPrapit Janma氏は、昨年の雨期にRIDが洪水被害を軽減するための水管理対策を13回にわたり実施したと報告しています。実際に洪水の影響を受けた58州で合計2,260台の排水ポンプ等による対策が実施されています。雨季後(2022年11月1日時点)の全国の水収支は、前年2021年より54億9500万m3多い640億m3でした。
今年は渇水期の水管理に437億4000万m3の水が備蓄され、そのうち140億7400万m3がチャオプラヤー川流域の4つの主要ダムに蓄えられています(うち62%が干ばつ期に備えて、38%が雨期開始時の備えとして備蓄)。
貯水量:Sirikitダム(58%, 2023年2月28日)
貯水量:Bhumibolダム(75%, 2023年2月28日)
現在のSirikitダムの貯水量は、大洪水が発生した2011年の同時期と比較して微減しています。また、Bhumibolダムの貯水量は2022年、2012年と比較して増加しています。一方で、今年度の傾向としてはいずれのダムの貯水量も減少傾向にあります。
貯水量:Pasakダム(55%, 2023年2月28日)
貯水量:Kwaenoiダム(60%, 2023年2月28日)
現時点のPasakダムとKwaenoiダムの貯水量は2022年より少ないものの、2011年よりは多くなっています。いずれも貯水量は今年度の傾向として減少傾向にあります。
雨季が終わってから約3か月が経過し、Ping川、Wang川、Yom川、Nan川の水位は低くなってきています。チャオプラヤダム上流のチャオプラヤ川の水位も堤防より大幅に低くなっており、現時点でチャオプラヤダム上流の河川において洪水リスクは高くありません。
チャオプラヤ川の水位(2023年2月28日時点)
チャオプラヤダム下流の状況はチャオプラヤダム上流と同様です。川の水位は堤防よりも低く、現時点で洪水リスクは高くありません。
チャオプラヤ河川の水位(2023年2月28日時点)
参照
https://www.tmd.go.th/forecast/monthly
http://water.rid.go.th/flood/flood/daily.pdf
https://www1.rid.go.th/index.php/th/2019-04-26-19-42-45/1473-30-01-2566
https://www3.tmd.go.th/media/forecast-threemonthcountry/newsjfm_2023.pdf
https://www.thaiwater.net/water/dam/large
http://water.rid.go.th/flood/plan_new/chaophaya/Chao_up.php?cal2=24022023
http://water.rid.go.th/flood/plan_new/chaophaya/Chao_low.php?cal2=24022023